え、CDに焼けないの!? 昔の音楽好きがハマるサブスクの落とし穴
「ねぇ、昔ダウンロードしてたmp3のデータはCDに焼けたけど、今もサブスクで手に入れてCDに焼けるの?」
そんな質問を、久しぶりに会った音楽好きの友人から受けました。彼は昔から洋楽ロックやインディーズバンドに詳しくて、ネットから音源を集めてはCD-Rに焼いて、オリジナルのジャケットまで手作りしていたタイプ。音楽は“データ”じゃなく“手元に持っていたい派”なんです。
でも今の主流は「サブスク」。彼にとっては、「なんか月額で聴ける便利なやつ」くらいのイメージしかない様子。そこで今回は、そんな“音楽は持ってナンボ”な人たちに向けて、今どきの音楽の楽しみ方と注意点を、できるだけやさしくお伝えしたいと思います。
サブスクって何?“聴き放題”だけど“手に入らない”
サブスク(サブスクリプション)は、毎月決まった料金を払えば、数千万曲の音楽がスマホやパソコンで聴き放題になるサービスのこと。Apple MusicやSpotify、Amazon Musicなどが有名ですね。
・Apple Music
・Spotify
・Amazon Music
ただ、ここで勘違いしやすいのが「ダウンロード」機能。
たしかに多くのサブスクには「ダウンロード」があります。でもこれは、ネットが繋がっていない時でも聴けるように“仮置き”されているだけ。音源ファイルがスマホに保存されていても、それをコピーしたり、CD-Rに焼いたりはできません。言ってみれば、“借り物”を一時的にスマホに置いてるイメージです。
昔のmp3と今の「ダウンロード」の違い
昔、CDからパソコンに音源を取り込んだmp3ファイルは、完全に自分のもの。好きなプレーヤーに入れて、CDに焼いて、自由に楽しめました。
一方、今のサブスクの音楽は「借りて聴く」もの。データはサブスクアプリの中だけで動いていて、契約が切れたり、楽曲が配信終了したら再生できなくなります。
つまり、昔のmp3みたいに「自分のパソコンの中にあるから安心」って感覚は、サブスクには通用しないんです。
CD取り込みとの違いを比較
サブスクのダウンロード | CDから取り込んだ音楽 | |
---|---|---|
保存形式 | アプリ内キャッシュ | 通常の音声ファイル(例:MP3) |
再生方法 | 専用アプリでのみ再生可 | 自由に再生・編集・コピー可 |
所有権 | なし(利用権のみ) | 私的使用に限り、所有可能 |
コピー | 不可 | CD-Rなどにコピー可能 |
同じ「ダウンロード」という言葉でも、保存されるデータの性質がこれだけ違うのです。
えっ、それって違法!? コピーに気をつけて
「じゃあ、サブスクから音楽をCDに焼いたり、録音アプリで保存するのは…?」
残念ながら、それはNG。
音楽や映像は「著作権」があるので、たとえ個人利用でも、サブスクや配信サービスからデータを録音・保存するのは違法とされるケースがあります。
CDをパソコンに取り込むのはOKですが、コピーガードがあるものや、ネット配信の音源を勝手に保存するのはアウト。
昔のように「自分で自由に録って焼く」は、今では通用しないんですね。
サブスク時代の“保存”ってどうするの?
「じゃあ、手元に置いておきたい派はどうすればいいの!?」という声が聞こえてきそうですが、選択肢は主に2つです。
1. CDやレコードを買う
やっぱり、物理メディアは最強。これなら取り込んでmp3にしてもOKだし、CDとして手元に残せます。
2. お気に入りは“プレイリスト”で管理
サブスク内で自分だけのプレイリストを作るのも楽しい方法。完全な保存ではないけれど、「あの時ハマった曲」をまとめておけます。
昔と今で、音楽の楽しみ方も変わった
音楽って、昔は「所有」して聴くものだったけど、今は「アクセス」して楽しむ時代。データは手元にないけど、代わりに世界中の音楽がいつでもすぐ聴ける。それってちょっと、夢みたいじゃありませんか?
もちろん、「手元に残したい!」という気持ちも大切。そのためには、サブスクの仕組みを理解して、ルールを守って、上手に使っていくことが必要です。
おわりに:データよりも、音楽の「記憶」が残る時代へ
今は、音楽を“持つ”ことより、“聴く”ことのほうが簡単になりました。でも、思い出と結びついた曲って、やっぱり特別ですよね。プレイリストにお気に入りの曲を並べるだけで、昔のドライブや失恋、友達と騒いだ夜をふと思い出したり。
だからこそ、サブスクはただの“便利ツール”じゃなくて、音楽の楽しみ方をもっと広げてくれる存在なのかもしれません。
CDを焼く時代から、音楽とともに変わる私たち。これからも、あなたらしい方法で音楽と付き合っていけますように。